クロストーク

地域リハ塾 塾生トーク

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全国の仲間と学び、地域へ還す。
『地域リハ塾』で得た新たな視点と私たちのこれから。

ベテランになっても学び続け、新しい挑戦を続ける。錦海リハビリテーション病院のそんな姿勢を体現するのが、日本リハビリテーション病院・施設協会が主催する「地域リハ塾」です。
今回は、この研修の0期生から現在受講中の4期生まで、異なる立場で参加した理学療法士3名が集結。受講のきっかけ、全国の仲間と学んだからこそ得られた新たな視点、そして学びを支える病院のサポート体制まで、リアルな声を語り合ってもらいました。


取材日:2025.10.20

 

参加者プロフィール

理学療法士/地域リハ塾 0期生・修了/通所リハビリテーションきんかい
杉原 健太郎
YMCA米子医療福祉専門学校 卒/趣味 写真撮影・手料理
理学療法士/地域リハ塾 1期生・修了/訪問リハビリテーション
上村 順一
YMCA米子医療福祉専門学校 卒/趣味 映画鑑賞
理学療法士/地域リハ塾 4期生・受講中/回復期リハ病棟 主任
遠藤 美紀
YMCA米子医療福祉専門学校 卒/趣味 観葉植物のお世話

 

Section 1

挑戦のきっかけと
「地域リハ塾」の学び

― まずは皆さんの自己紹介と、テーマである「地域リハ塾」とはどのようなものか、0期生の杉原さんから教えていただけますか?

理学療法士/杉原 健太郎

杉原 : 通所リハビリテーションに所属する理学療法士の杉原です。「地域リハ塾」は、日本リハビリテーション病院・施設協会が主催し、医師やセラピストなどリハビリテーションに携わる多様な職種が集まる研修です。
従来の病院や施設といった枠の中だけでなく、もっと広く「地域」にリハビリテーションの恩恵を広めていくためにはどうすべきか。リハビリテーション界のレジェンドとも言える先達の先生方から直接お話を聞き、我々がそれをどう次に繋げ、地域に貢献していくかを考え続ける。そうした人材を育成する目的で立ち上げられたと聞いています。

上村 : 訪問リハビリテーションの上村です。私は1期生として修了しました。

遠藤 : 回復期リハ病棟の遠藤です。私は4期生として、現在受講中です。

― 皆さんが、この「地域リハ塾」を受講しようと思った「きっかけ」は何だったのでしょうか?

杉原 : 私は0期生なのですが、当時は院長と副院長から「杉原さん、行ってこい」と(笑)。経験年数や、通所リハという生活期で働いていた経験から選出していただいたようです。正直、最初は「地域」といっても、ご利用者様のお宅に伺うことの延長線上くらいに考えていたんです。ですが、実際に行ってみたら、個人の関わりだけでなく、地域の施策や仕組みづくりまで含めた、もっと広い視点を求められて。良い意味で衝撃を受けました。

上村 : 私も病院からの推薦がきっかけです。訪問リハの経験が長かったことと、その前に老健や特養など地域の施設での経験もあったことから、その経験を買われて「行ってみないか」と声をかけていただきました。

遠藤 : 私も、院長、副院長、次長からの推薦でした。病棟勤務ですが、以前から退院後訪問を実施したり、私自身が地域理学療法の認定資格を取得したりしたことが繋がったようです。お二人が生活期(通所・訪問)の第一線で学ばれている姿を見ていましたし、参加にあたってはお二人から「こんな課題があるよ」とアドバイスもいただきました。

 

Section 2

全国で学ぶ。
研修スタイルと本質

― 実際に受講してみて、いかがでしたか?特に印象に残っている講義や経験を教えてください。

理学療法士/上村 順一

杉原 : 0期生は唯一、故・石川誠先生の講義を聞けたことが財産です。「自分の技術を高める自己研鑽」と「地域のために働く貢献」、この2つを両輪として機能させることで初めて病院や施設はその地域に認められていく、というお話でした。それまでは「まず技術を高めれば、誰かが地域に繋いでくれる」と思っていたのですが、「技術を高める段階から、どう地域に繋ぐかを同時に考えろ」という言葉は、視界が大きく開ける経験でしたね。私の期は全6回、すべて東京での対面講義でした。

上村 : 僕の2期はコロナ禍だったので、ほとんどがオンラインで、最後だけ東京で対面でした。リハビリテーションの黎明期を築いてこられた先生方のお話は、正直「偉大すぎて腰が引ける」ほどでしたが(笑)、制度がどう作られてきたか、行政をどう巻き込んで仕事をしてきたかなど、この塾でしか聞けない話ばかりでした。講義後すぐに塾生同士で「自分の職場にどう落とし込むか」を話し合う時間が設けられており、全国の仲間の視点に触れながら自分の考えを整理できたのも良かったです。

遠藤 : 私の4期はまたスタイルが変わり、全国の先進的な施設を訪問する形式が始まりました。初回は東京でしたが、その後は小倉リハビリテーション病院や兵庫県立総合リハビリテーションセンターなど、現地でレジェンドの先生方から講義を受け、施設を見学します。次回は、長崎リハビリテーション病院、最終回は霞ヶ関南病院で実施される予定です。

― 現場を直接見るのは、やはり違いますか?

遠藤: まったく違います。病院の規模も歴史も異なりますが、どの施設にも共通していたのは、患者さんを一人の「地域の生活者」として捉えている点です。回復期というと「在宅復帰」がゴールになりがちですが、そこでは「在宅復帰だけでなく、障害があっても生きがいを持ちながら生活できる」という社会復帰までを見据えた取り組みが当たり前になされていて。そこまで考えてアプローチする必要があると、自分の課題として強く認識しました。

杉原: 現地に行けるのは、本当にうらやましいですね(笑)。

 

Section 3

「学びたい」を
全力で支えるサポート体制

― 通常業務と並行して、県外への出張も伴う研修です。病院からのサポート体制はいかがでしたか?

理学療法士/遠藤 美紀

遠藤: 本当にありがたい環境だと実感しています。受講費用はもちろん、旅費宿泊費もサポートいただきました。しかも、飛行機やホテルの手配まで全て済ませていただきました。他の施設から参加された方に聞くと、自費だったり、手配は全部自分だったりするのが普通だそうで…。出張から帰った後も、業務に支障がないよう休みを調整してもらえるので、安心して研修に集中できています。

杉原: 0期生の時も、毎月のように東京へ行くことを前提に勤務を調整していただくなど、全面的にサポートしてもらいました。本当に感謝しかありません。

― まさに当院の「学びたい人を応援する文化」の表れですね。

上村: 医療職は学び続けることが仕事だ、という文化が根底にありますよね。それは若手だけでなく、結婚や子育てといったライフステージの変化があっても同じです。休みの希望への配慮はもちろん、経済的なサポートも含めて、その時々の環境に応じて応援してもらえるのは、当院の大きな魅力だと常々感じています。

遠藤 : 私も、病棟にいながら「地域の活動に参加してみたい」と相談した時、決して「ノー」とは言われず、「行っておいで」と背中を押してもらえました。

杉原 : このリハ塾は、ある程度経験を積んだ中堅以上だからこそ、学んだことを消化して「自分の病院や地域にどう還元するか」というアウトプットまで求められる、非常に大きな経験です。そうした挑戦を上司や病院が汲み取り、サポートしてくれる風土がありますね。

 

Section 4

学びを未来へ。
私たちが地域で果たす役割

― 地域リハ塾での学びを、今後どのように業務や地域へ還元していきたいと考えていますか?

杉原: 私は通所リハの立場から、法人が地域に持つ様々な拠点(こうほうえんグループの各施設)と連携し、地域のニーズを吸い上げて、どう支えていけるかを一緒に考えていきたいです。この地域リハ塾 塾長である斉藤正身先生が理事長を務めておられる、霞ヶ関南病院が地域の拠点となっているように、私たちも地域を支える仕組みづくりに貢献したいと思っています。

上村: 私は訪問リハの専門性を活かし、コロナ禍以前から公民館で介護予防の教室(アクティブシニア健康教室)を月1〜2回続けています。米子市は介護予防に力を入れているので、その一端を担う形で、今後はこの活動の場所や参加者を少しずつ広げていきたいですね。

遠藤: 回復期病棟のスタッフも、患者さんが帰っていく「地域」をもっと知るべきだと痛感し、上村さんの教室に同行させてもらっています。研修で「孤独を感じないための仲間づくり」の重要性も学びました。今後は、入院中から患者さん同士が交流できる集団レクリエーションを企画したり、家族会創設の手助けなど、病院にいながらできる「地域リハ活動」にも新たに取り組んでいきたいと考えています。

 

Section 5

未来の仲間へ

― 最後に、この記事を読んでいる求職者の皆さんへメッセージをお願いします。

杉原 : 自分の技術を高めることと、それをどう地域に還元していくか。当院は、この2つを同時に考え、実践できる職場です。自分の可能性を広げ、夢を持って「地域にどう貢献できるか」を考えたい方、ぜひ一緒に働きましょう。

上村 : 他の施設では、勉強は「個人に委ねられる」ことも多いと聞きます。ですが当院には、同職種はもちろん、他職種とも一緒に学ぼうとする文化が根付いています。新卒の方に対してもエルダー制度(新人教育体制)がしっかりしているので、「学びたい」という意欲のある方には最高の環境だと思います。

遠藤: 患者さんが笑顔で退院されていく姿に、日々やりがいを感じています。当院は「学びたい」という思いを全力で支援してくれる体制があり、私のように回復期の病棟にいながらでも、地域に出て学ぶチャンスをもらえます。ぜひ、一緒に働けることを楽しみにしています。

 


 

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