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病院機能評価 特設ページ

更新認定交付日:2021年12月3日(認定期間:2020年10月1日~2025年10月1日) 初回認定:2015年10月2日

病院機能評価とは

患者さんの命と向き合う病院には、その医療の質を担保するために備えているべき機能があります。
国民の健康と福祉の向上に貢献することを目的とする公益財団法人として1995年 に設立された日本医療機能評価機構は、病院が備えているべき機能について、中 立・公平な専門調査者チームによる「病院機能評価」審査を行い、一定の水準を 満たした病院を「認定病院」としています。

病院機能評価での審査には、本体審査と、より高い水準で評価が行われる高度・専門機能があります。

評点は本体審査がS、A、B、Cの4 段階評価、高度・専門機能がⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4段階評価となっています。

病院長挨拶

病院長
角田 賢

開院10年目、自分たちの行っている医療について客観的に評価してもらおうと病院機能評価を初めて受審し、認定を受けたのが2015年でした。自己判断では気が付かない要改善点を指摘していただきました。新型コロナウイルス感染症の影響で1年延期したこともあり、6年経過しましたが、前回認定時から病院全体で指摘された項目を中心に改善を継続してきました。

前回受審した際には「付加機能」であった回復期リハビリテーションに関する評価が今回から「高度・専門機能」となり、ハードルがもう一段あがりましたが、この6年間かけて病院全体で頑張ってきたことを評価して頂いたと考えております。今回もまだまだ改善を目指すべきポイントが残されていることをいろいろご指摘いただきました。

病院機能評価を受審することで得られた最大のものは「認定証」ではなく、このより良いものを目指して改善し続ける文化とシステムの構築でした。「認定を受けたからこれで良し」、「5年後の更新の前にまた頑張ろう」ではなく、今回の受審の直後から改善へ向けた取り組みがすでにスタートしています。全職員が一緒になって一つの目的を達成したことを機能評価の認定証が表現してくれていると感じています。次の更新は2025年。また一歩ずつ、職員みんなで歩いていきます。


病院機能評価
リハビリテーション病院 3rdG:Ver.2.0
S評価11個取得

S評価01 1.2.3
地域に向けて医療に関する教育・啓発活動を行っている

【審査結果報告書】

地域住民を対象に健康教育や啓発、介護予防研修を医師や療法士等が行っている。リハビリ看護師は脳卒中について医療機関と相互研修し、介護施設等に出前講座を行っている。地域のケアマネージャーを対象に、医師・療法士がリハビリについてのセミナーを開催し、コロナ禍においてはWebで継続して開催している。

療法士や介護福祉士による高齢者向け介護予防研修や介護支援勉強会、家族へのオムツの説明も行っており、地域の医療・介護への教育・啓発は優れており評価できる。また、看護部を中心に急性期病院と「脳卒中再発予防」の勉強会も行っている。

S評価02 1.6.4
受動喫煙を防止している

【審査結果報告書】

敷地内は全面禁煙であり、遵守されている。患者・家族へは入院時に敷地内禁煙や禁煙教育・啓発、受動喫煙防止に関する説明が行き届いており、遵守されている。

職員の喫煙率も年々減少しており、2018年に入職後禁煙した職員に、「頑張ったで賞」で賞賛し、職員の喫煙率はさらに低減しており、高く評価できる。県からも「敷地内全面禁煙」の認定証が授与され、院内外から協力が得られている。新入職者の喫煙者の調査までには及んでいないが、入職後には禁煙教育・啓発を積極的に行っている。

S評価03 2.1.6
転倒・転落防止対策を実践している

【審査結果報告書】

入院時に、全患者に転倒・転落の評価を行い多職種で共有している。転倒・転落対策チーム「まくれん隊」が転倒・転落の発生状況や原因分析を行い改善策を立て迅速に対応している。病室のレイアウトを入院中に数回変更し、転倒防止に役立てている。

活動成果は年間100件以上の件数が逓減し、6年間の状況分析の結果、要因を究明し、転倒・転落予防5カ条を作成し、さらに成果を上げている。転倒防止のための物品整備に取り組み、在宅でも使用できる物品を購入し、個別性を重視した生活環境を築けるような取り組みは優れており、高く評価できる。

S評価04 2.1.12
多職種が協働して患者の診療・ケアを行っている

【審査結果報告書】

入院時のイニシャルカンファレンス、入院1週間以内および毎月1回の定期カンファレンス、課題発生時の臨時カンファレンス、退院前の退院調整カンファレンスと多職種カンファレンスが随時行われている他、日々の全勤務者が集合する朝礼・夕礼で情報共有を図り診療・ケアを実践している。

専門チームとして、NST・褥瘡対策チーム・摂食嚥下チームの他、転倒・転落防止委員会「まくれん隊」や排泄・入浴・車椅子委員会など、多職種からなるチーム活動が積極的に行われ、診療・ケアに反映されており、高く評価できる。

S評価05 2.2.5
診断・評価を適切に行い、診療計画を作成している

【審査結果報告書】

診療計画は入院日に患者や家族の希望も加え、多職種で入院診療計画書を作成し、医師が説明している。診療計画と方針は入院時評価とカンファレンスで決定し、初期評価は多職種で看護診断統合アセスメント、ICFシートの活用、内服管理アセスメントシートの作成等、評価の標準化への工夫に取り組んでいることは、高く評価できる。

1週間後には初回の総合リハビリ実施計画書を作成し、医師が説明を行っている。カンファレンスの毎月開催、計画の見直し、説明、記録は適切に実施されており、自宅訪問も積極的で、退院後の生活を見据えたリハビリ計画案に役立てているなど、これらの取り組みは高く評価できる。

S評価06 2.2.18
作業療法を確実・安全に実施している

【審査結果報告書】

入院後、初期評価およびリスク評価が速やかに行われ、計画に基づく系統的なリハビリテーションが実施されている。高次脳機能を含めた評価の上でのリスクも把握され、安全な訓練に努めている。上肢ロボット(ReoGo)など運動学習に基づく科学的論理的リハビリの提供、自動車運転再開の可否に関し、ドライブシミュレーターなどで評価し、院外の教習所との連携などがあり、高く評価できる。

イブニングケアも行われ、さらに社会復帰に向けた自宅訪問や家屋調査も医師や社会福祉士が協力して取り組んでおり、作業療法の実施は適切である。

S評価07 2.2.19
言語聴覚療法を確実・安全に実施している

【審査結果報告書】

言語聴覚療法は、理学療法・作業療法の実施同様に、入院後に初期評価とリスク評価がなされ、計画に基づく系統的なリハビリテーションが実施されている。検査で、SSPT(簡易嚥下誘発試験)、呼吸筋力測定器による咳嗽力の数値化が行われている。摂食・嚥下障害に対する評価や嚥下造影検査は医師との協働で行われ、高次脳機能障害患者へのアプローチや失語症患者への訓練など言語聴覚療法の実施は適切である。

また、小児の言語障害に対しても、地域のニーズに対し小児外来リハビリテーションを開設され、高く評価できる。

S評価08 2.2.20
生活機能の向上を目指したケアをチームで実践している

【審査結果報告書】

生活機能の向上を目指したケアをチームで実践する意識が職員に浸透しており、多職種で協働し実践している。回復期リハビリ病棟では「看護の10項目宣言」に沿いケアを実践し、離床しテーブルで食事をしている。摂食・嚥下、口腔ケアに言語聴覚士や歯科衛生士が関与し、排泄時は排泄チームが排尿障害アセスメントを行い、入浴は作業療法士が直接介助し、病棟職員へ動作方法や介助指導を行っている。「畑レク」ではトマトなどを収穫し一緒に食べ、患者同士の交流の場にもなり、社会性の拡大を目指すケアが実践され、取り組みは優れており、高く評価できる。

なお、2020年から感染対策のため食堂の使用は制限されているが、多様な場面や状態を想定して実践している。

S評価09 2.2.23
必要な患者に継続した診療・ケアを実施している

【審査結果報告書】

入院時に退院向け支援を多職種で行っている。退院前に紹介医や介護事業所等にサマリーを提供し、地域カンファレンス(感染対策のため、一部ZOOMを活用)では情報を共有し、継続したケア提供に努めている。

復帰のため家屋を訪問し環境調整を行うが、訪問後にも患者の動作の増加や、患者の要望が変化する中、意向に応じて改修計画を変更するなど、評価できる。

さらに、医療度の高い患者を、退院後に看護師が訪問しサポートする他、脳卒中患者全員を対象に退院後6か月後の維持期状況連絡票で療養状況を評価しデータ化して、退院支援に反映させるなど、取り組みは優れており高く評価できる。

S評価10 3.1.5
リハビリテーション機能を適切に発揮している

【審査結果報告書】

入院後早期に多職種合同の評価を行い、目標設定・プログラム作成を行い、速やかに開始している。リハビリは365日1日平均7単位以上、イブニングセラピ-も実施している。定期的な多職種評価、各種カンファレンス、多職種チームによる患者への対応があり、リハビリの標準化に努めており、リハビリ機能は適切である。上肢ロボット(ReoGo)など新たなリハビリも提供している。医師も適時在宅へ訪問し、通所・訪問リハスタッフに積極的な情報提供や訓練見学も実施しており、高く評価できる。在宅復帰率は80%以上である。

S評価11 4.3.4
学生実習等を適切に行っている

【審査結果報告書】

各職種の学生実習は積極的であり、病院と大学・専門学校との契約やカリキュラムを適切に定めている。医学部医学科の地域医療を実習する学生、保健学科の老年期看護を実習する学生、言語聴覚・理学・作業療法を実習する学生が鳥取大学の他、県内や県外(関東・近畿・中国・四国・九州)における20校近くの学校から年間1,730名が参加しており、その指導・実習に携わっている。

実習時は患者・家族の同意、医療安全等に関する教育、実習時の事故など細かく取り決めており、実習時の学生評価や実習成果も上がっているなど、高く評価できる。

高度・専門機能
リハビリテーション(回復期) Ver.1.0
I評価8個取得

I評価01 1.1.2
良質な回復期リハビリテーション機能を発揮するために必要な人員を配置している

【審査結果報告書】

48床1病棟に対し、リハビリテーション科専門医2名を含む医師5名、理学療法士19名、作業療法士18.5名、言語聴覚士16名、看護師23名、介護福祉士17名、社会福祉士3名、薬剤師2名、管理栄養士2名、歯科衛生士1名など、十分な数の医師、療法士、看護師、介護福祉士が配置されている。

十分なリハビリテーション・ケアが365日提供される体制があり、療法士の遅出など1日の生活時間帯に応じた人員配置にも取り組まれている。回復期リハビリテーション病棟協会の認定看護師、セラピストマネジャー、摂食・嚥下障害看護の認定取得の支援など質の向上にも努めており、高く評価できる。

I評価02 2.1.2
医師は患者の実生活を踏まえた指導・支援を行っている

【審査結果報告書】

医師はほぼ毎日回診を行い、患者の病棟での生活状況などを多職種と情報共有している。

また、医師はADLの進捗状況を踏まえ多職種と議論し、指示を出している。在宅へ向けての課題や合併症の評価も行った上で、リハビリテーションの進捗状況や予後について、毎月患者・家族面談で医師が説明している。患者の生活状 況を把握する目的で、2020年度は医師が同伴する家屋訪問が訪問件数の96%に実施されていることは高く評価できる。

I評価03 2.1.3
医師はチーム医療の実践に適切に関与している

【審査結果報告書】

医師は入院時のイニシャルカンファレンス、1週後の初期カンファレンス、毎月の定期カンファレンスに参加している。医師はカンファレンスの中でリーダーシップを発揮し、前回からの課題解決の進捗を確認し、目標の再設定やそのための介入を明確にする役割を果たしている。

定期カンファレンスには原則全医師5名が参加し、また、全医師が訓練室で実際の訓練の場を見ながら、今後の訓練内容や方向性を決定している。

これらの議論に基づいて、リハビリテーション総合実施計画書へ記載の修正などを行っており、高く評価できる。

I評価04 2.2.4
看護・介護職は質向上に向けた活動に取り組んでいる

【審査結果報告書】

病棟には回復期リハビリテーション認定看護師3名を配置し、役割と業務について明確にしている。看護介護の教育体制については、ラダー制を取り入れ、病棟目標に基づいた個人目標を設定し、ケアの質向上に努めている。

2019年より鳥取大学との連携を構築し、退院支援の取り組みを開始している。毎月1回の会議を行い、2021年4月より双方で使用する脳卒中予防パンフレットを作成した。

今後はさらに他の急性期病院や回復期リハ病棟を巻き込んでの活動に期待したい。

研究活動については、毎年1~2演題を院内外で発表するなど積極的である。業務係が中心となって、日常業務の改善に取り組み超過勤務の時間短縮を図っている。看護・介護職の質向上に向けた取り組みは高く評価したい。

I評価05 2.3.1.S
言語聴覚士は役割・専門性を発揮している

【審査結果報告書】

手順書に則り、言語障害や構音障害、嚥下障害の検査計測を標準的指標により行い、客観的に評価できている。嚥下障害患者へのトロミ食の提供では、トロミ段階を摂食・嚥下リハビリテーション学会の基準に統一し対応していることは評価できる。

また、失語症患者には毎月サロン「スマイル」を開催してピアサポートによる自立支援に努めている。難聴者に対しては近隣の補聴器販売店と連携し難聴者の自立支援向上に努めている。

さらに口腔ケア、摂食・嚥下訓練に関しては歯科医と連携しており医科歯科連携の取り組みは全国のモデルケースにもなっている。これらの取り組みは専門性を遺憾なく発揮している状態として高く評価できる。

I評価06 2.3.4
療法士は質向上に向けた活動に取り組んでいる

【審査結果報告書】

協会認定療法士や学会認定療法士が多数在籍し、質向上に貢献している。2020年度はコロナ禍であるが洋書論文掲載2編、学会発表13、法人内発表会5をはじめ地域での講演等、積極的に取り組んでおり内容的にも高く評価できる。

また、広島大学との共同研究や鳥取大学との人事交流等、若いスタッフが多い中で将来を見越して計画的にさらなる質向上に取り組んでいることも高く評価できる。

日本リハビリテーション病院施設協会の医科歯科連携拠点病院として活動していることも療法士の質向上に効果を挙げている。

I評価07 2.4.4
社会福祉士は質向上に向けた活動に取り組んでいる

【審査結果報告書】

社会福祉士の援助技術・支援の質向上に向けて、資格取得のための研修計画を体系的に作成し目標管理を行っている。

院内はもちろん院外でも地域の後進育成に努め、県内の社会福祉士の質向上に向けた取り組みに係わっている。特に鳥取大学と連携して共同研究を行っていることは高く評価したい。地域の福祉・医療機関との連携は、研修会への定期的な参加や事業への参画など組織レベルで関わっている。

また、後方連携にも働きかけて、 オンラインカンファレンスやアンケート調査など情報共有は適切に行われている。

I評価08 2.5.3
管理栄養士はチーム医療の実践に適切に関与している

【審査結果報告書】

管理栄養士は、入院時のイニシャルカンファレンス、1週後の初期カンファレンス、月毎の定期カンファレンスに参加し、多職種と情報を共有し目標と計画を決めている。

嚥下造影検査にも参加して、病態やリハビリテーションの進捗に伴った活動量の変化に対する栄養量の変更や摂食・嚥下機能の改善に伴う食形態の変更に関しても他職種と協働してタイムリーに提案、報告し、その内容は診療録への記載やカンファレンス記録によりチーム内で共有されており、高く評価できる。

また、NSTの一員としてチーム活動にも貢献しており、適切である。